■ 抄録・要旨
| 2009年9月に微小粒子状物質(PM2.5)の環境基準が告示され、常時監視に関する事務処理基準にPM2.5の成分分析を行なうことが盛り込まれた。元素状炭素(EC)および有機炭素(OC)からなる炭素成分はPM2.5の主要な成分であるが、その測定法については課題が多い。同一試料によって熱分離法と熱分離・光学補正法を比較したところ、全炭素(TC)は差が見られなかったが、ECは熱分離法に対する反射光補正の回帰直線の傾きが0.70であった。光学補正においては、sample transit timeの設定、EC量(試料捕集量)、試料形態、共存成分が影響を及ぼす。試料捕集においても石英繊維フィルターの加熱前処理による測定値への影響が見られる。都市部でのEC濃度は、近年は経年的に低下傾向が見られている。
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